哀温ノ詩【ニジガク3rdアルバム感想】
今日はエマです。「哀温ノ詩」を何故エマが歌うのか、どういう意味があるのかについて考えたいと思います。
当然ですが、がっつりエマのキズナエピソードの内容に触れています。
哀温とはなんぞや
哀温。聞き慣れない単語です。ここは先人の知恵をお借りしたいと思います。「哀温」は和の音楽の源流を想起させるべく引用された語である
「哀温」とは何か?──見えてきた“日本音楽の源流”
https://note.com/nozo4/n/n181ca27b71b6
これは記事の著者による仮説です。哀温という言葉が何故このような意味を持つと考えることができるかは引用元の記事を是非読んでいただきたいです。
……読みましたか? では哀温という言葉が持つニュアンスを踏まえてエマが「哀温ノ詩」を歌うことになった経緯を追ってみたいと思います。
受け継がれてきたもの
「哀温ノ詩」はマイが先輩から受け継ぎ、そしてエマがマイから継いだ詩です。そして、エマがスクールアイドルを好きになったきっかけでもあります。エマと「哀温ノ詩」の出会いはキズナエピソードにて語られています。
キズナエピソード20話より。ここでエマが言う乗り越えられたこととは……
ここではないでしょうか。キズナエピソード1話より。
エマは夏川写真館でマイと出会うことで「哀温ノ詩」と再会を果たすわけですが……
マイの語りかたから、「哀温ノ詩」が代々受け継がれてきた詩であることが分かります。
そして、「哀温ノ詩」はマイの方から先輩に継がせてくれと頼み込んでいることが語られます。先輩は「本当に大切にしてくれる人でなきゃ継がせない」と言い、マイに特訓をつけます。
このようにストーリーでの「哀温ノ詩」の扱いをみるに、やはり上記のnote記事の仮説は正解に近いように思えます。
「哀温ノ詩」の製作者は、和の音楽の源流を想起させる「哀温」をタイトルに入れることで、今日まで受け継がれてきた和の音楽(声明)のように、この歌も長く大切に歌い継がれて欲しいと願いを込めたのではないかと思います。そして「哀温」ということばから、「哀温ノ詩」を聞く人たちは、詩は勿論のこと、その歌詞に込められた人々の気持ちの両方が大切に受け継がれてきたことが想起できる……素敵な詩ですね。
哀しみに寄り添い、温もりを与える
~エマのルーツ~
哀温、には文字そのままのニュアンスも込められていそうです。「哀温ノ詩」の歌詞は、哀しみに寄り添い、温もりを与えるということが繰り返し語られています。サビに"侘びし度 奏で 包み込みましょう"とありますが、ここで言う侘びとは「悲嘆にくれるさま」を表しています。哀しみにくれる度、この詩を歌い温もりを与えましょう、ということなのでしょう。
そしてCメロでは、同じように哀しみにくれる人がいたならば、(私と)同じようにこの歌で温もりを与えて欲しいと語られます。これはまさに「哀温ノ詩」に勇気付けられ、大切に思っている人でなければ継がせないというマイの先輩が言っていたことの理由となっています。
ところでエマの目指すスクールアイドルとはなんだったかというと、
「哀温ノ詩」で語られる温もりということばは、エマにとって聞き手に与えたい勇気や癒しなのでしょう。
エマが世話焼きで癒し上手なのは、勿論下のきょうだいが多いことも理由なのでしょうが、「哀温ノ詩」のコンセプトに影響を受けている部分もあるのではないでしょうか。「哀温ノ詩」の歌詞がどんなものか知るために日本語を猛勉強をしたというのは想像に難くありません。
また、エマが好む民謡や子守唄も、今日まで広く受け継がれてきたという点では、スケールの違いこそあれど「哀温ノ詩」に近いものがあります。
そんなわけで結論付けると、
「哀温ノ詩」はエマ・ヴェルデというキャラクターそのもののルーツと言うべき曲である
というのが僕が思う「哀温ノ詩」です。
あとRyota Saito氏は最高です!
ライブに思うこと
「Evergreen」「声繋ごうよ」とは違いクラップもなく、静かに聞かせる曲なので現地で聞きたかったというのが大大大本心ではあります。いつか生で聞けることを心待ちにしていますが、それはそれとして2ndで聞けることはとても楽しみです。衣装がどうなるのかというのも気になるところです。もし2ndでソロ3曲連続やるのであれば早着替えは必須というか、、、大丈夫なのかな? 当日はセトリについても注目して見たいと思います。